丸の内を2時間歩く:東京駅の赤れんが駅舎から、仲通りの街並みへ

東京駅は、正面から写真を1枚撮って終わりになりがちです。もう2時間あれば、少し違う見方ができます。まず、横に長い赤れんが駅舎が人をどのように入口へ導いているかを見てから仲通りへ。高層ビルの足元に、歩く場所、ショーウインドーを見る場所、コーヒーを飲む場所がどう設けられているかを眺めてみましょう。皇居や美術館には入らない散策です。東京に着いたばかりで、すぐに次の観光地へ急ぎたくない人や、列車に乗る前に街を少し見たい人に向いています。

ただし、乗車前に歩くなら、さらに余裕が必要です。このコースは東京駅丸の内中央口の外から始まり、同じ場所に戻って終了します。コインロッカー探し、荷物の受け取り、駅に入ってホームへ向かう時間は別に確保してください。列車の発車まであと2時間しかない場合は、時間表をそのまま使わず、散策を短くしましょう。

まず丸の内側へ。駅を一つの建築として見る

東京駅丸の内駅舎の赤れんがの外観と駅前広場を収めた全景
写真:東京駅丸の内駅舎と駅前広場の昼間の景観。赤れんが、明るい色の線、背後の高層ビルの大きさを見比べられます。過去に撮影された写真で、訪問当日の通路や人の流れを示すものではありません。撮影:RuinDig/Yuki Uchida/原作品/CC BY 4.0。構図をすべて残し、トリミングや修整をせず、縦横比を保って表示しています。

駅の中では、まず丸の内方面の案内に従います。地上に出たら、赤れんが駅舎と駅前広場が見えることを確認しましょう。八重洲は反対側です。地下街に着いただけでは、まだ散策の出発地点ではありません。同行者とは中央口の外で、通行を妨げない場所に集合し、そこから時間を数え始めます。

広場で駅舎から少し距離を取り、中央の張り出した部分を探してから、左右の窓や屋根に目を移してみてください。同じ形がどのように繰り返され、どこで変化しているでしょうか。窓を全部数える必要はありません。一部分を選び、白い線が赤れんがの面をどう区切っているか、入口と通常の窓で大きさの比率がどう違うかを見ます。全景を撮るなら、通路の真ん中で人がいなくなるのを待つより、横に数歩移動して角度を変えてみるほうが現実的です。

東京駅は1914年に開業し、2012年に復原工事が完成しました。今の姿には保存された部分と復原された部分があり、目に見える材料がすべて開業当時のものとは限りません。工法に関心があれば、Tokyo Station Cityの保存・復原の解説も参考になります。元の1・2階のれんが構造の保存と、外壁の化粧れんがの復原が説明されています。その違いを意識して見直すと、単に「100年以上前の駅」と覚えるより理解が深まります。

南口のドームは、通行の邪魔にならない場所から

次に駅舎に沿って丸の内南口へ向かいます。当日利用できる改札外の通行区域で、立ち止まっても差し支えない場合は、ドームの装飾や高い位置の窓を少し眺めてみましょう。ドームを見るために改札を通る必要はなく、改札へ出入りする人の流れの中にも立ち止まらないでください。ここは通勤客も通る場所です。三脚を立てたり、長時間撮影したりする予定は入れません。

上の方から、ゆっくりと人の目線の高さまで視線を下ろしてみます。高所の細部は地上から見分けにくい一方、入口や案内表示、通行方向はひと目で分かる必要があります。記念碑的な建築の表情と日常の使いやすさを、一つの建物がどう両立しているか。それが、ここで数分多く過ごす面白さです。東京ステーションギャラリーの駅舎の歴史紹介(日本語)には、南北ドームの戦後の改築や、駅舎の保存・復原の経緯が記されています。目の前の姿を、こうした変化の積み重ねとして見てみましょう。

混雑していたり、立ち止まれる場所がなかったりしたら、外から屋根の輪郭を見るだけにしましょう。この先にも大事な見どころがあるので、一か所で時間を使い切らなくて大丈夫です。

KITTEの外観から仲通りへ。高層ビルの足元に注目

南口の向かいにあるKITTE周辺では、公共の歩道から白い外壁を眺め、その後は街区の案内に従って丸の内仲通りへ向かいます。屋上へ上がったり、買い物の予定を入れたりする必要はありません。赤れんが駅舎の水平な線と白い外壁を比べ、さらに背後の高い建物が視野にどう入ってくるかを見てみましょう。一棟を近くから見るときと、少し離れて建物群を見るときでは、印象が変わります。

仲通りでは、丸の内ブリックスクエア付近を折り返しの目安にします。歩きながら、木と木の間にどれだけ通行スペースがあるか、店の入口が歩道にどれほど近いか、人が立ち止まっても通行を妨げないのはどこか、という三つの小さな点に注目してください。通り全体がいつでも歩行者専用になっているとは考えず、交差点では信号と現地の案内を確認しましょう。

ブリックスクエアでは少し歩調を緩めて、低層の赤れんが建築と高層ビルが隣り合う中で、庭園がどのように空の見える場所をつくっているかを眺めます。三菱一号館美術館の外観も比較できますが、館内の展覧会には別途チケットと時間が必要で、この2時間には含めません。丸の内公式の仲通り路面店マップ(日本語)は、通り沿いのショップや飲食店を探す参考になります。営業は各店舗の案内を確認してください。

午後の2時間に、お茶の時間も組み込む

以下は14時から16時までの例です。昼食を済ませ、大きな荷物を持たず、一般的な速さで歩く人を想定しています。分数は移動と待ち時間を含めた編集上の目安で、実際に歩いて所要時間を保証したものではありません。

時間帯内容所要時間の目安
14:00–14:25中央口の外で方向を確認し、駅舎の正面を観察25分
14:25–14:40駅舎に沿って南口へ。ドームまたは屋根の外観を見る15分
14:40–14:55KITTEの外観を見て、公共の歩道から仲通りへ15分
14:55–15:15仲通りからブリックスクエアへ。街路と庭園を観察20分
15:15–15:40席を探し、飲み物と軽いおやつを注文して休憩25分
15:40–16:00来た方向へ戻り、丸の内中央口の外へ20分

お茶の店は、行列のできる有名店に決めておく必要はありません。店先のメニューと空席を見て選び、店探し、席待ち、会計も25分に含めます。5分以上待ちそうなら近くの空いている店に変えるか、持参した水を飲んで、休憩が認められた場所で少し座りましょう。この午後の散策は、昼食を済ませてから歩く想定です。まだ食事をしていない場合は、仲通りの20分を食事に振り替え、飲食と休憩に計45分を取り、その後は直接駅へ戻ります。

1人分の予算として、公共の場所から外観を見る散策には有料施設への入場を組み込んでいません。飲み物と軽いおやつには、ひとまず1,000~1,500円を自分用の予算として見込めます。店の価格を示す金額ではないので、実際にはメニューを見て決めてください。交通費、荷物の預かり料金、買い物、食事は別です。出費を抑えたければ、水を持参しても建築の観察はできます。座るために無理に買い物をする必要はありません。

雨や時間不足なら、駅の近くに範囲を絞る

行きの道探しに15分余計にかかった場合は、仲通りや庭園で立ち止まる時間を短くし、駅へ戻る20分は残します。15時40分になったら帰り始め、新しい店を見つけても、折り返し地点を有楽町方面へ延ばさないでください。疲れてきたら、KITTE付近で休んでから駅へ戻り、ブリックスクエアは省いてかまいません。それでも、駅舎を十分に観察できる散策になります。

大雨では、屋外での観察が中心のこのコースは楽しみにくくなります。駅舎の改札外の公共区域を短く見て、近くの営業中の飲食店で休む形に変更しましょう。不慣れな地下通路を、必ず速く着ける近道だと思わないことも大切です。段差を避ける必要がある場合は、駅側に使いやすい出入口を確認し、エレベーターの利用や道の確認に余裕を持たせてください。

出発前には、東京の地図で駅と宿泊先の位置を確認できます。中央口の外に戻ったら、もう一度駅舎を見上げてみましょう。建築用語を覚えていなくても、駅前と仲通りでは歩いて感じる空間の大きさがどう違うかを自分の言葉で話せたら、この2時間を過ごした意味があります。